愛の言霊
四
「…つな、り…」
開かれた口から声にならぬ声が漏れる。
僅かに目を開いた先には見慣れた天井の木目、続いて見慣れた男が視界にとびこんでくる。
「兼続!!」
男は驚喜し、兼続の手を握り、よかったと繰り返す。
西軍敗北の知らせを聞き上杉軍が長谷堂から撤退した後、兼続は三成処刑の事実を知った。
その知らせを聞いた後、事切れたように崩れ落ちた体は、覚醒を拒むように昏々と眠り続け、実に十日以上の日が過ぎていた。
戦で大きな傷を負ったわけでもないのに、原因がわからぬと医者は首をひねる。喰わず眠り続ける体は衰弱してゆく一方、このまま眠り続ければいずれは死に至ると宣告されたが、原因が分からぬだけに誰も、何も手のうちようがない。
男はただただ、祈った 目を覚ましてくれ、死なないでくれ、と。
しばらくは呆然と天井を見上げていた兼続だったが、情けなく顔を歪める男に向けて掠れた声で言う。
「慶次…、私はどうやら生きねばならぬようだ…」
困ったような笑顔を作る。
すると慶次は当然だと何度も繰り返す。
三成が残したたった一言の言霊が兼続の心にこだまする。
そして、それは何よりも強い呪力を持って兼続に生きる力を注いでゆく。
やがて訪れるであろう再開の時に手渡された愛に恥じぬよう、今は精一杯、生きていこうと。
―アイシテイル―
◇後記◇
色々と矛盾や都合のいいような所がたくさんあったと思います、読んでて、ん?ってなるような所もいっぱいあったかと…。
できるだけそうならないようにしたかったけど、文章を作る能力が無に等しいので、うまく説明する事ができませんでした><
一度消したりなんだり、日本語の難しさに悶々としたりでしたが、一応処女作という事で、これはこれでもうよしとします。次頑張ろう次ー!次あればいいなwww
応援コメントを下さった皆様本当にありがとうございました!